黒龍
が、
そんな希望も儚く散った。
確かに眉は動いた。
口角も上がった。
………
上がった…?
「気づいてた?」
麗は俺に微笑み、
じっとこちらを見てくる。
口角は上がってる。
誰がどう見たって笑顔だ。
…でも、違う。
目が、笑ってない。
今までよりも
もっと
もっと
真っ黒な瞳。
やばい、そう思った。
ただ、ただ、
やばい。
殺気なんか出てない。
今まで出してた殺気が感じられない。
じゃあ、この恐怖は何だ…?