黒龍
何も言えないことなんて
見てれば分かるから
またあたしが話し始める。
"菊池…駿くん、だっけ?"
聞かなくたって確信してる。
わざと聞いたのに
"そうだけど?"
足が震えてる、少しだけど。
怖がってるのに
まだ強がるんだ。
その瞬間、
無償に潰したくなった。
"弟の敵って
言った方がいいのかな?
あたしさっき
あなたの下っ端に
弟侮辱されたんで
少しイラついてます。
謝ってって言いたい所だけど
弟に謝ってもらいたいから
今は謝らなくていいや。
でも…
お前とお前の下っ端に。
とりあえず
黒龍、
そんな簡単に
潰せると思うなよ?"