黒龍
見回りを始めて
何時間か過ぎた。
空はもう暗くなり始めたが、
結局何か変わった様子は
なかった。
この格好なら
誰かに襲われることなんて
ないから歩いて帰ろうと
したとき、
「きゃーーーー!!!」
!?
声のする方へ走る。
「や、やめてください!」
「大きい声出しても
誰も助けになんて
来てくれないよ?」
「…5人か」
5人の男に囲まれている1人の女。
やっぱり、
耳にはグレーのオオカミ。
獣牙は正統派の暴走族だと
思っていたが、
裏では異端派なのか。
とりあえず、
助けに行こうとしたとき
後ろから気配を感じ
ばっと振り向く。