季節に触れて
あとがき
追加三ページを書いてわたしは一ページ消した。
もちろん、これは続いていく物語だ。続きのある話を書いていた。
わたしは続きを書いて後悔する。この話は“あの時”のままで良かったんじゃないだろうか。
月日が流れ、浅葱、哀。を読み返してわたしがまず思ったのは、
この文章はもう書けない
こんな感情的な文章を綴るわたしを今のわたしは知らない。
これ以上、書く必要はない。わたしが書きたい物語ではなくなってしまう。
わたしは手を止めたのだ。
最後の二ページで全てをダメにしてしまうんじゃないかと不安だ、
それならそれで良い、と作品を公開に踏み切った。
誰にでもあるであろう、恋愛、初恋。
一つ終わればまた次がある、気持ちの区切り方は今のわたしでは考えが分からない。
主人公はきっと次の恋愛をする。
この話をしてくれたわたしの友人は元気にしてるだろうか。そして、主人公の人物像である友人の姉は今どうしているだろうか。
この物語は実話だった。着色はされたが主人公の心境はそのままだと言える。
友人が姉の話をしてくれた後、数日でわたしは文章におこしていた覚えがある。
まだ、きっと主人公と同じ年齢だった。上手く、綺麗に、飾って書こうとしてない文章に当時のわたしは素直だ、そう思わせる。
きっと、友人の姉は幸せを築いている。
誰もが、今あるその先の幸せへと辿り着けるように。
わたしは完結ボタンを押すとする。