季節に触れて
もぅ…無理なのかなぁ?
マサヒロ…?
道端なのを忘れてぺたんと座り込み一人泣き続けた。
「あおっ!!!」
あたしを呼ぶ声がして、
「お、ねえっ…ちゃん…」
「あおっ…あお、ごめんね?あお…」
お姉ちゃんは冷たくなったあたしの身体を優しく抱いた。
お姉ちゃんは温かくて余計に涙が止まらなくてなった。
「家に帰ったら、凄かったしおばあちゃんも何も言わないから探した」
人は殴らなかったものの、マサヒロは物に当たったから家の中は凄い状態だったのだろう。
「ま、まさ…ひろがっ…」
「マサヒロはタッくんが探しに行った」
「うっ…ぐすっ…」
タッくんはお姉ちゃんの彼氏だ。
お姉ちゃんたちにも迷惑かけてしまってる…
「あおー?ごめんね、私がマサヒロなんかと会わせたりしたから…」
「な、なんっで…お姉ちゃんが謝る、のぉ?あ、あたしがっ…ぐすっ」
溢れてくる涙は全く止まらなくてお姉ちゃんの肩を濡らしてく。
マサヒロはお姉ちゃんの友達だった。
高2のマサヒロと中2のあたしが出会うにはなかなか難しい。
お姉ちゃんの友達だったからマサヒロと出会えたんだ。
たまに遊びにくるマサヒロをあたしは意識するようになって…
年下なんか相手にされるはずがないとおもったけど、マサヒロは優しかった。
「あ、あたし…っ…ま、まさ…ひろがっ」
「あおっ、もうマサヒロのことは忘れて?あんな奴のことなんかっ」
「お姉ちゃん!!あたしは、あたしは…」
優しくて幸せだったマサヒロとの事を思い出すと言葉が詰まって、胸が苦しくなる。