季節に触れて




どうやって伝ったのかは分からない。


でも、マサヒロとあたしがこうなった事がお母さんに知れて


地区バレーの飲み会をしていたお母さんたちがマサヒロにちょっと来いと呼び出したのだ。

マサヒロはタクシーに乗ってお母さんたちがいるカラオケ屋に向っていったらしい。


マサヒロにはタッくんがついてるらしいけど、全部、全部…全部、あたしの所為だ。

こんな夜中にみんなを巻き込んでしまって。


胸が苦しくて押し潰されそうになる。


「あお、そんな噛むと血が出るよ?」


震えて、震えて…堪えたくても涙が出て自然と下唇を噛み締めていた。

お姉ちゃんの優しい声が喉をつまらせて、



あたしはなにも出来ない。

ただ、



泣くことしか出来ない。






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