季節に触れて




「あお、家戻ろう?」


お姉ちゃん…



言わなきゃ…言わなきゃ、

でも、震えて声が出ない。


このまま、帰りたくない。



「あお?」


あたしの背中を押すようにお姉ちゃんの手はあたしの背中に触れる。


あたしはそっと、それを外して


やっと口を開いた。



「マサヒロに逢いたい」


どうしても、どうしても

あたしにはマサヒロが必要なんだ。


お姉ちゃんは切なそうに顔を歪ませる。


お姉ちゃん、お姉ちゃん…ありがとう。

でも、本当にマサヒロじゃないとダメなんだよ。



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