【完】キセキ~君に恋した時間~
第6話 キス
ファーストフード店は、ガヤガヤと煩い
から静かなカフェにでも行こうと誘った
が、美海がそれを断った。
騒がしい方がいい、と言った美海の気持
ちを汲み取り、近くのファーストフード
店に入る。
「いらっしゃいませー。ご注文をどうぞ
!」
にっこりと営業スマイルを浮かべたお姉
さんの元へ行き、メニューを覗きこむ。
「美海、なに頼む?」
「……なんでもいい。徹と、同じの」
わかった、と言い、シェイクとポテトを
頼む。
商品を待っていると、ふと、美海が口を
開いた。
「徹……」
「ん?」
「もちろん徹の奢りでしょ?」
「……。」