【完】キセキ~君に恋した時間~
「もしかしてとは思ってたけど、私が誰
だか覚えてない?」
と少し不機嫌そうに言った。
俺のことを徹って普通に呼ぶくらいだか
ら、どこかで会ってるんだろうとは思っ
ていたけど。
急にそんなこと訊かれても……。むしろ
こんな美人と何か関係してるならそれは
それでオイシイ話だけども。
「……すいません」
「ねぇ、なんで敬語なの?同い年のくせ
に」
あ、同い年なんだ……。
「ていうか本当に思い出せない?小さい
時はあんなに私に泣きついてきたのに」
「は!?」
な、な、泣きついた!?
うわ、情けね、俺。
「……みーちゃんって覚えてない?」