【完】キセキ~君に恋した時間~
そう言って、俺にもわかるようにヒント
を出してくれたりと、解答の手解きをし
てくれる栄生君に、心の中では何度も頭
を下げている俺。
栄生君ほんと優しい!ちょっとサドっぽ
い一面もあるけど、今は天使に見える。
ていうか、エスカレーター式だから大丈
夫とか自惚れてた夏の俺に言ってやりた
い。
自分の知能レベルくらい、理解しとけ、
って。
「英語以外は出来るのにねー、徹くん」
問題を必死に解いている俺に、少し息を
つきながらそう言う栄生君。
そう。
他の四教科は人並みには出来る。
でも、英語だけは無理なんだ。
なにこの暗号みたいな文章。英語とかど
こで使うの?ていうか必要なの?英語?
なにそれおいしいの。
なんてグダグダと英語にいちゃもんをつ
けていたら(心のなかで)、こんな悲惨な
状態になってしまった。