【完】キセキ~君に恋した時間~
第8話 壊れたココロ
機械を通して聞こえてきた君の声は、と
ても悲痛そうで。
どうしようもなく、俺を動揺させて。
「タスケテ」と掠れた声に。
初めて助けを求められた事に。
───俺は、頭が真っ白になったんだ。
───1月3日。
まだまだお正月ムードな国内で、俺は勉
強と部活に追われていた。
私立の入試って、公立のように3月じゃ
ないから嫌だ。といってもまあ、栄生君
のおかげで入試対策はばっちりなのだけ
ども。
そして今日は、磯部の提案で、バスケ部
三年男子で集まって、勉強会を開いてい
た。
会場は、栄生君のお家。
栄生君のお家は開いた口が塞がらない程
に大きくて、洋風なもうちょっとしたお
城で。