【完】キセキ~君に恋した時間~
そう言うと、またニコッて笑う武野さん
。
「知ってるよー!有名人だもんね!」
「えっ!?」
ゆゆ、有名人!?
まるで自分には縁がないと思っていた言
葉に、思わず目をぱちくり。
だってあれだけひっそりうっかり暮らし
ていたのに、有名人?むしろ空気みたい
な存在だったはずなのに。
目を見開く俺に、ウンウンと頷く武野さ
ん。
「岡田くん、モテモテだったもんね!」
「え!?いや、そんな……」
「えー?モテモテじゃーん!皆岡田くん
のことバスケ部にカッコいい男子がいる
って騒いでるよー?あ、栄生君も人気だ
よねー」
栄生君が人気だっていうのは、わかる。
栄生君、カッコいいし、なんでも出来ち
ゃうし。
だけど俺がカッコいいとかモテモテとか
……あり得ん。
だけど。