【完】キセキ~君に恋した時間~
そして。
「マネージャーの、武野陽子です!」
なんと、武野さんはマネージャーさんだ
った。
最近知ったのだけど、どうやら武野さん
は男子から結構好意を寄せられているら
しい。
まあ可愛いし、性格も良いからだと思う
けど。───その証拠に、磯部と峯本の
目がハートになりそうな勢いだ。
「あまりバスケの知識は無いんですけど
、テーピングとかは得意です!えっと、
陽子って名前、ちょっとコンプレックス
なので武野って呼んでくれると───」
「え、なんで?」
思わず漏れ出た声に、皆の視線が突き刺
さる。
だけど俺は、真っ直ぐ武野さんを見つめ
た。
「なんで武野さん、名前、コンプレック
スなの?」
「だってちょっと……古くさくない?」
と苦笑いする武野さん。