【完】キセキ~君に恋した時間~
さっきからずっとループする、キスシー
ン。それは勿論、俺と美海の。
一度目の、触れるような優しいキスなん
かじゃなくて、求めあうような情熱的な
キス。
思い出すだけでも顔から火が出そうなく
らい恥ずかしいのに、なんであの時は、
なんの躊躇いもなく出来たのか未だに謎
だった。
カチャン、と美海がコップを置く音が聞
こえて顔を上げれば、ゆっくりと美海が
口を開いた。
「合格……したわよ」
「……本当に?」
思わずそう聞き返すと、少し不機嫌そう
に眉を潜められた。
「こんなときに嘘なんてつかないわよ。
私立桜庭(さくらば)高校にね」
桜庭……そうだとは思っていたけど、ほ
んとすごい。
偏差値も70近くて、超難関高のはずな
のに……。
でも、とりあえず。