【完】キセキ~君に恋した時間~
第10話 曖昧──美海side





曖昧。──だからムカつく。



曖昧だから、イライラする。


曖昧なアイツに、イライラする。



何も言わないアイツに、イライラする。



だけど。



強がっちゃって何も言えない自分に一番
、イライラしてるの。













「美海ちゃんじゃあねー!」


「倉科さんバイバーイ」



教材を詰め込んだバッグを肩にかけて、
教室から出ようとすると、何人かの女の
子たちにそう声をかけられた。



それに、ニッコリと微笑む。



「バイバイ。また明日」





< 172 / 278 >

この作品をシェア

pagetop