【完】キセキ~君に恋した時間~
もしかしたら……もしかしたら、徹も私
と同じ気持ちでいてくれるかもしれない
。
私のこと、好きでいてくれるかもしれな
い。
だって、徹は、なんの意味もなしにキス
してくるような男じゃない。ていうか、
出来ないと思う。
だからちょっとくらい、期待しちゃうの
も仕方のない事なのに。
でも、わからない。
徹がどう思ってるのか、何を思ってるの
か、全然わからない。わからないから、
ムカつく。イライラする。
曖昧なこの関係が、焦れったいんだ。
それから一週間ほどたったある日のこと
、街中で偶然、徹に出会った。
「あ、美海」
「……」