【完】キセキ~君に恋した時間~





あ、そうそう。恋人といえば、最近なん
と、磯部に彼女が出来た。相手は同じク
ラスの女の子で、告白されたんだとか。



いやあ、あの日の磯部のテンションのウ
ザさといったら、なかったな。いや、本
人には言わなかったけどさ。軽~く受け
流したけどさ。



それから、福田さんは他校に彼女が居る
らしい。しかも中学からの付き合いなん
だとか。ビックリだ。



そういえば栄生君にこの前、彼女欲しく
ないのかって峯本が訊いてたけど、興味
ないって即答だったっけ。かっこ良かっ
たな、なんか。



福田さんか磯部にでもあげようか、なん
て思っていた矢先告げられたのは、耳を
疑うような言葉だった。



「美海ちゃんに決まってるだろ!」


「はい?」


「だーかーらー!美海ちゃんと行ってこ
いよ!カップル割引だし!」


「や、カップルじゃな……」


「照れんなって我が息子よ!」



ガハハ、と大口開けて笑いながら、俺の
背中をビシバシと叩いてくる父さん。





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