【完】キセキ~君に恋した時間~
会うたびにといっても過言じゃないくら
い、遅いって言われてる気がする。
「なんで毎回毎回、いつも遅いの!?」
「すいません……てか、まだ十分前だし
……」
「何か文句でも?」
「……アリマセン」
ギロ、と威圧感たっぷりの目で睨まれ、
思わず謝ってしまう俺。
美海に対してヘタレなのは、やっぱり変
わらない。
ちら、と美海を見てから、辺りを見回せ
ば、明らかに男の目を集めている美海。
まあ、こんだけ美人だからな。
美海の今日の洋服は、ふんわりしたシフ
ォン素材のトップスに、小花柄のミニス
カートと、編み込みサンダル。
今日はメイクもちょっぴりしてあるみた
いで、丁寧に引かれたアイラインが、美
海の大きな瞳を、更に際立たせる。
こんな美人と歩いてたら、俺、なんかち
ょっと浮きそうだ。