【完】キセキ~君に恋した時間~
「……行く?」
「当たり前でしょ」
ふん、と鼻を鳴らしながらそういった美
海に苦笑いを浮かべる。
……前途多難なデートになりそうだ。
「徹!もう一回!」
「……え、もう無理……」
瞳がこれでもかってくらいにキラキラ輝
く美海と、それとは対照的に、ぐったり
とする俺。
遊園地にやって来てから三時間。ずっと
ジェットコースターに乗りっぱなしとい
う予想だにしていな状況に陥っている。
元はと言えば、美海が遊園地に来たこと
ないって言うから、ジェットコースター
に乗せてビビらせてやろうっていう、軽
いイタズラ心だったのに。