【完】キセキ~君に恋した時間~
ジェットコースターを終えたあとで、美
海は一言。
『もう一回!』
と、見たこともないようなワクワクとし
た面持ちで言い出して、有無を言わせず
、俺を引っ張っていった。
さすがの俺も、それを三回も四回も繰り
返されるとさすがにキツい。
また最後尾へと駆け出していこうとする
美海の腕を後ろから掴んで、止める。
多分俺の顔は、真っ青だと思う。
止めた俺に対して、「なんなのよ」と不
満気な表情を向けてくる美海。
「……頼むから、ちょっと休憩」
「なんでよ!」
「乗りすぎて気持ち悪いから……」
「はぁ?」
まるで、嘘でしょ?とでも言いたそうな
美海。でも、これが普通だから。美海が
おかしいんだからな。
「……仕方ないわね。じゃ、もうお昼に
しましょ」