【完】キセキ~君に恋した時間~
時計を確認しながら、そう言う。
メリーゴーランドとかコーヒーカップも
乗ってないけど、やっぱり最後は観覧車
でしょ。
「……徹って以外にロマンチストなの?
」
「や、違うけど」
変なモノでも見るかのように俺を見てき
た美海に、苦笑いする。
俺がロマンチストとか……無いわ。
結局観覧車に乗ることになり、もう閉園
だからか、人もまばらな園内を移動して
観覧車乗り場に行くと、すぐに順番が来
た。
「ごっゆくりどうぞ~」
従業員さんの笑顔に見送られて、進み出
した観覧車。
ゆっくりと、景色が小さくなっていく。
「……綺麗……」
外の景色を見つめながら、うわごとのよ
うに呟く。