【完】キセキ~君に恋した時間~





時計を確認しながら、そう言う。



メリーゴーランドとかコーヒーカップも
乗ってないけど、やっぱり最後は観覧車
でしょ。



「……徹って以外にロマンチストなの?



「や、違うけど」



変なモノでも見るかのように俺を見てき
た美海に、苦笑いする。



俺がロマンチストとか……無いわ。



結局観覧車に乗ることになり、もう閉園
だからか、人もまばらな園内を移動して
観覧車乗り場に行くと、すぐに順番が来
た。



「ごっゆくりどうぞ~」



従業員さんの笑顔に見送られて、進み出
した観覧車。



ゆっくりと、景色が小さくなっていく。



「……綺麗……」



外の景色を見つめながら、うわごとのよ
うに呟く。






< 195 / 278 >

この作品をシェア

pagetop