【完】キセキ~君に恋した時間~
だけど俺は、そんな美海の横顔から、目
が離せずにいた。
「ああ、綺麗だ……」
そんな言葉は、一体何に対して言ったの
か、自分でもわからなくて。
ただ、目が離せなくて。
ずっと、見つめていたくて。
この光景を目に焼き付けておきたい、と
何故か思って。
……何故か、寂しくて、切ない。寂寥の
思いが込み上げてくる。
夕陽に照らされた美海の横顔がどこか儚
く。
俺はなんでか、泣きたくなった。
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