【完】キセキ~君に恋した時間~
ていうか……。
「思わせ振りって、なに……?」
それに、頭冷やせとも言われた。
だけど頭冷やせなんて言われるような事
をしたつもりはない。だから、どうすれ
ばいいのかもわからない。
磯部がああいうのには、一瞬だけ見せた
、武野さんの悲しげな微笑みに関係して
居るんだろうか。
……ますますわからない……。
はあ、とため息をついた時、ポケットに
入れていたケータイが震えた。
それはメールの受信を報せるもので、送
信者は美海だった。
美海からメールなんて珍しい、と思いな
がらケータイを開くと、そこには一言、
「来い」と書かれていた。
「……」
もしかしたら下に詳細が書かれてるかも
しれない、とスクロールしようとしたも
のの、あえなく失敗。
本文は、たったの二文字だった。