【完】キセキ~君に恋した時間~
第2話 東京観光
美海との同居が始まってから三日。
「新宿に連れてって」
……俺はもう、どこかで一人、ひっそり
暮らしたいと願うほどにげんなりしてい
た。
起きてリビングに行けば、俺の目の前に
仁王立ちになる彼女。
……おいおい。朝から面倒そうな事言う
なよな。泣きたくなるから。
美海のわがままは今に始まった事じゃな
い。というか俺はもはや美海の使いっパ
シり状態。
美海の飯はいつも俺が作り、(ていうか
美海が作ってるのなんて見たこともない
)美海の洗濯物も俺がやり、その他諸々
。
美海の洗濯物に至っては、下着とかも俺
に触られていいのかと抗議したが、どう
せ変なことしたら自分がどんな悲惨な姿
になるかわかってんでしょ、と真顔で言
われ撃沈。
どんな悲惨な姿になるんだ、俺。
そして今朝にはいきなり新宿とか言い出
しやがった。