【完】キセキ~君に恋した時間~
なんだか雰囲気的に、鍋パーティーの話
は流れそうだ、と思ったとき、福田さん
が口を開いた。
「良いんじゃねーか?鍋パーティー。俺
、鍋好きだし」
そう言った福田さんに、栄生君もニッコ
リと笑う。
「そうだね。僕も、楽しそうで良いと思
うよ」
栄生君まで……。
そんな風におだてられたら、磯部が調子
に乗……ああもう、乗っちゃってるよ。
目がパアッと輝いちゃってるよ。
もう磯部に、犬の耳と尻尾の幻影まで見
えそうな勢いだ。
「つってもよー、どこでやんだよ、そん
なん」
峯本がそう言う。
そうだよ、場所がなくちゃ出来ないじゃ
ん。──そう思った俺の肩に、磯部の手
が乗せられた。
満面の笑みで。