【完】キセキ~君に恋した時間~
「磯部ー。起きろー。帰ってくださーい
」
「ん……」
だけど磯部はむず痒そうにもぞもぞと動
くだけで。
……ダメだこりゃ。
どうしたものかと困り果てていたら、ふ
と、横から栄生君の手が伸びてきて。
なんのためらいもなく、磯部の鼻を塞い
だ。
「……」
「……」
「……口も塞ぐ?」
「ストップ栄生君!!」
それ危ないから!笑顔で提案するような
あれじゃないから、うん!
「磯部!いいかげん起きろって!」
栄生君に殺されちゃうよ!?
すると、そんな俺の願いが通じたのか、
ぱちっと瞼を上げた磯部。