【完】キセキ~君に恋した時間~
第15話 さあね──美海side
「倉科さんは……、岡田君が、好きなん
ですか?」
もわもわと立ち上る蒸気と、騒がしい笑
い声の中。
私の隣で、鍋をつついていた彼女は、真
っ直ぐと私を見て、そう言った。
始まりは、一本の電話。
珍しく徹から電話がかかってきたかと思
えば、いきなり鍋パーティーに誘われて
。
どうやら徹には、未だにあまり、しっか
りしたものを口に出来ていないのがバレ
バレだったらしかった。
誘ってくれたのは嬉しかった。
だけど、そんな部活の集まりに、私なん
かが行っても邪魔じゃないかとも思った
から、迷ったの。
でも結局、行くことにした。
あの子も、来るって言うから。