【完】キセキ~君に恋した時間~
「本当に、美海のおかげなんだ」
あの時美海が居なかったら、きっとあそ
こでシュートは打てなかったし、きっと
勝てなかったから。
美海が傍に居るだけで、勝てそうな気が
してくるんだよ。
美海が、ふ、と口元を緩める。
「……でも、それじゃ駄目よ」
「え……?」
「私が居ないと勝てない、みたいなそん
な言い方、駄目。私が居なくても、勝て
るようにしなきゃ」
美海の言ってることは最もなのに。
どこか違うニュアンスが含まれてる気が
して、胸が締め付けられる。
「……居なくてもとか……なんなんだよ
、それ」
下唇を噛み締めて、うつむいた俺に、困
ったように笑う美海。
なんで、そんな。