【完】キセキ~君に恋した時間~
「おー、磯部」
「今日はお祝いで、どこか食べにいこー
ぜーっ」
「はは、そうだな」
連絡は……会って言いたいから、明日で
も良いか。
本当はメールしようとして、手にしてい
たケータイをポケットに突っ込もうとし
た瞬間。
───♪~……
不意に着メロが鳴り響いて、少し驚きな
がらケータイに目を落とすと、サブディ
スプレイに父さんの文字。
今日は、仕事の筈なのに。
「もしもし?」
どうかしたの、という言葉は。
『徹……美海ちゃんが、亡くなったよ』
───そんな言葉でかきけされた。
周りの雑音が、一瞬にして全て消え去る
。