【完】キセキ~君に恋した時間~
俺の膝上で揺れるツインテール。
まだ四歳児とはいえ、全力で突進される
とかなりキツい。
「パパー、お参り終わったぁ?」
「ん。うん、終わったよ」
「ママがね、綺麗なお花、買ってたよ!
」
「そっか」
ふ、と微笑むと、黒目がちの瞳が俺を見
上げてきた。
「ねえ、このお墓、誰のお墓ー?」
「ここはね、俺のすごく大切な人の、お
墓だよ。美海っていうんだ」
そう言うと、その瞳がキラキラ輝く。
「ミミとおんなじ名前っ!!」
「そうだね。未深(みみ)とは、漢字が
違うけどね。この人は、美しい海、って
かくんだよ」
美しい、海。