【完】キセキ~君に恋した時間~
名は体を表すと言うけど、まさにそうだ
よな。
美しい海のように人々を魅了する力を持
っていて。
それでいて、すぐにコロコロと変わる海
の様子のように、彼女は不安定で、どこ
か危なくて。
なにに───強くて。
「未深も、美海のようになるんだぞ」
「うんっ!」
なあ、美海。
俺は今、幸せだよ。
「徹、お花、買ってきたよ!」
「ありがとう───陽子」
君は今、幸せですか?
笑って、俺らを見てくれていますか?
今はまだ、サヨナラだ。
いつか再び会える、その日まで。
【完】