【完】キセキ~君に恋した時間~




俺、岡田徹(おかだとおる)。


私立に通う中学三年生。現在中学最後の
夏を堂々謳歌中……なんてことはなく。



毎日をただ時の流れに身を任せて過ごす
平凡な男子中学生。



強いてゆうならば人より少し、やる気と
か情熱とかを持ってないだけ。



一年の頃から部活には入らず帰宅部。部
活とかめんどい。やってらんない。



ほんとは受験生な俺らも、私立のお陰で
ほとんどがエスカレーター式に高校に行
ける。



だから三年生も部活には普通に参加して
る。



たらたらと歩いていると、前方から誰か
が走ってくるのが見えた。



その誰かは俺に気付いたらしく、



「徹くーん!」



と言いながら向かってきた。



「……あ、栄生(さこう)くん」



近づくにつれてそれが栄生鉄平(さこう
てっぺい)くんだと言うことに気づき、
思わず名前をこぼす。




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