【完】キセキ~君に恋した時間~




美海が着ているワンピースは、多分昨日
買っていた奴だったと思う。



ノースリーブ型のワンピースで、ウエス
ト部分はリボンできゅっと縛られていて
、裾にふんわりとレースがあしらわれて
いる。



まあ、でも普通に。



「可愛いと思うけど?」



そう言ったら、美海が嫌そうな顔になっ
た。え、褒めたのに。



「……そういうお世辞、いらない」


「お世辞?本音ですけど」


「嘘つけ!私が怖いからって、お世辞い
ってるんでしょ!」



あ、自分が怖いって自覚あるんだね。


じゃあ自覚ついでにもっと優しくなって
くれるとすごくとても嬉しいんだけど。



「ていうかお世辞じゃないって。美海、
黙ってれば美人だし、似合うよ」



って褒めたのに。……褒めたのに!!



「黙ってればってどういうことよ!」







< 40 / 278 >

この作品をシェア

pagetop