【完】キセキ~君に恋した時間~
美海が着ているワンピースは、多分昨日
買っていた奴だったと思う。
ノースリーブ型のワンピースで、ウエス
ト部分はリボンできゅっと縛られていて
、裾にふんわりとレースがあしらわれて
いる。
まあ、でも普通に。
「可愛いと思うけど?」
そう言ったら、美海が嫌そうな顔になっ
た。え、褒めたのに。
「……そういうお世辞、いらない」
「お世辞?本音ですけど」
「嘘つけ!私が怖いからって、お世辞い
ってるんでしょ!」
あ、自分が怖いって自覚あるんだね。
じゃあ自覚ついでにもっと優しくなって
くれるとすごくとても嬉しいんだけど。
「ていうかお世辞じゃないって。美海、
黙ってれば美人だし、似合うよ」
って褒めたのに。……褒めたのに!!
「黙ってればってどういうことよ!」