【完】キセキ~君に恋した時間~





ギラギラと俺を嘲笑うように照りつけて
くる太陽。



なんで俺がこんな目に……。



俺はもともと日陰が似合う男なんだよ。
クーラーと共に生きるために生まれてき
た選ばれし人間なんだ。



こんな……汗だくになりながら学校に向
かうために生きてるんじゃないのに。



熱で目の前の景色が歪む。



本当は今すぐこの場でへたりこみたいん
だけど、アスファルトが殺人的熱さを持
っているだろうから無理だ。ステーキに
されてしまう。



そしてそれから、ただ朦朧としながら歩
いていたら、ようやく体育館に着いた。



「つ、着いた……」



ダメだどうしよう。HPが既にゼロに近
い。



重たいドアを開け、中に入った瞬間、も
わっと生ぬるい風が一気に押し寄せてき
て俺は力尽き、その場に倒れた。













< 45 / 278 >

この作品をシェア

pagetop