【完】キセキ~君に恋した時間~
そう栄生くんに尋ねられて、帰ってから
の自分を思い浮かべるも、ロクな事をし
ていなかった。
とりあえずクーラーと扇風機つけて、冷
蔵庫からアイス引っ張り出してるな。
「……色々……かな」
そんな正直に答えられるわけもなく、言
葉を濁しながらそう言うと、栄生くんは
ニッコリと笑った。
「そっか。徹くんは部活には入ってない
んだよね?」
「うん……」
栄生くんの質問に答えながら、俺は内心
首を傾げていた。
なんだ……?
栄生くん、今日はやけに絡んでくるな。
いつも会っても挨拶程度で、同じクラス
に居ても雑談なんてするような仲じゃな
いのに。
「あのさ、徹くんバスケ部こない?」
「あ、すんません。無理です」
栄生くんがそう言った瞬間に頭を下げて
、「じゃ」と去ろうとしたら……。