【完】キセキ~君に恋した時間~




そう栄生くんに尋ねられて、帰ってから
の自分を思い浮かべるも、ロクな事をし
ていなかった。



とりあえずクーラーと扇風機つけて、冷
蔵庫からアイス引っ張り出してるな。



「……色々……かな」



そんな正直に答えられるわけもなく、言
葉を濁しながらそう言うと、栄生くんは
ニッコリと笑った。



「そっか。徹くんは部活には入ってない
んだよね?」


「うん……」



栄生くんの質問に答えながら、俺は内心
首を傾げていた。



なんだ……?


栄生くん、今日はやけに絡んでくるな。
いつも会っても挨拶程度で、同じクラス
に居ても雑談なんてするような仲じゃな
いのに。



「あのさ、徹くんバスケ部こない?」


「あ、すんません。無理です」



栄生くんがそう言った瞬間に頭を下げて
、「じゃ」と去ろうとしたら……。




< 5 / 278 >

この作品をシェア

pagetop