【完】キセキ~君に恋した時間~
そして今日が正式に、バスケ部の一員と
なる日。
バスケ部の栄生君以外とのメンバーとも
、初対面だ。
「よし行こうか」
「ああ、うん」
部活のために買った黒いエナメルを背負
いなおして、そう返事をした俺。
だけど栄生君は、そんな俺を心配そうに
見つめた。
「どうかした?……徹くん、なんか暗い
よ」
「いや……ただ、少し。……少し、自己
嫌悪に陥ってるだけで……」
美海のあの瞳が忘れられない。
一瞬にして真っ黒に濁った。俺のせいで
。
泣きそうに、悔しそうに震えてた。俺の
言葉に。
ほんと、俺は救いようもないバカだ。
美海が一番触れてほしくなかった傷に、
素手で触れてしまった。