【完】キセキ~君に恋した時間~
自分で触れたくせに、自分も傷付くなん
て……俺に、傷付く資格なんて、ないく
せに。
だけどはっきりした。
美海は今もまだ、あの人に苦しめられて
、あの人から逃げてきたんだ。
そして思い知った。
そんな美海に、俺はなにをしてやれるの
か思い付くことも出来ないくらい、情け
ない男なんだと言うことに。
「……岡田徹です。中途半端な時期から
の入部ですが、よろしくお願いします」
体育館、俺はそう言って挨拶をした。
隣には相変わらずの爽やかスマイルの栄
生君。そしてそんな俺らの周りをぐるっ
と囲む部員。
じろじろと見られて、なんだかいたたま
れない。