【完】キセキ~君に恋した時間~
俺こういう雰囲気苦手なんだよなぁ、心
臓がバックンバックンするから。
しかも俺にはコミュニケーション能力が
"超"低いという恐るべき弱点がある。
スポーツなんてチームプレーがほとんど
なのになんてこった。
ペコリと小さく頭を下げたものの、上げ
時がわからなくなってしまうという失態
。いつ上げる?今でしょ。とはいかない
この状況。……古いとか言わない。
どうしたものか、と早くも壁にぶち当た
っていたその時。
「えー!徹、バスケ部はいんのかよ!だ
ったら教えろよー!」
となんとも快活な声とともに、背中をバ
シバシと叩かれた。
え、何が起こったの、俺に。
ビックリしながら顔を上げて、俺は更に
ビックリすることになる。
「……磯部……?」
「え、あ、なに?まさか俺の存在に今気
づいたカンジ?」
酷くねぇ?と苦笑いするこいつは、磯部
勇麻(いそべゆうま)。