【完】キセキ~君に恋した時間~




差し出された手に、自分の手のひらを重
ねて握手すると、がっしりと骨ばった手
に、すっぽりと包み込まれる。



……なんか、福田さんに手を握られると
、自分の手のひらがちっちゃく見えるな
ぁ……。



「福田さん……カッコいいですね」



思わずほぼ無意識でそう言うと、福田さ
んは一瞬目を見開いてから、



「ブフッ……!」



と盛大に吹き出した。



「ちょっとまっ……!お、お前、突っ込
み所ありすぎなんだけど!」


「へ……?」


「なんで俺ら同級生なのにさん付けなの
?あとカッコいいとか、男に言われたの
初めてだわ」



お腹を抱えながら、ゲラゲラと笑う福田
さん。



……まさかこんなに笑われるとは。



どうしたらいいんだ、俺。と困っている
と、ぐしゃぐしゃーっと頭を撫でられた




「お前気に入った!」





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