【完】キセキ~君に恋した時間~
その"何か"は磯部だった。
「テンション高いな……」
「徹が低すぎなんだっつーの!な、一緒
に帰ろうぜ?」
「おう……」
テンション低くもなるだろ、こんだけ疲
れれば。
三ヶ月分くらい動いたぞ、今日の三時間
だけで。
絶対明日筋肉痛だろうなあ、なんて思い
ながら外に出ると、二年生や一年生が俺
らを見て、「お疲れさまです!磯部先輩
、岡田先輩!」といってくれて、なんか
ちょっと照れ臭かった。
先輩ってなんかいい響きだよな……。
「ていうか徹がバスケ部入るとかビック
リなんだけど!」
「うん、俺もビックリ」
そう言うと、なんじゃそら、と笑われた
。
「でも嬉しいけどなっ!」