【完】キセキ~君に恋した時間~
いきなり現れて、俺にドアをぶつけて謝
りもしねーで、挙げ句なんだその暴言。
ふざけんな一発怒鳴ってやる!
「……あ、すいません」
───なんて事が出来るほど俺は強くな
い。
認めたくないけど俺はヘタレだ。
あんまり人と関わるのは好きじゃないし
、人前になんか立てない。
教室の隅っこで誰にも気付かれず存在し
てるのが心地いいくらいだ。
だから、心の中で思ったことをそのまま
吐き出すことはあまりない。なんだかん
だ言って、楽に過ごせるから。
とりあえず、いつまでも尻餅ついてるの
は情けないし、なんだか彼女のスカート
の中が際どいラインで見えちゃいそうな
ので、立ち上がった。
立ち上がってみると、意外に彼女は小さ
かった。
……いや、俺がでかいのか。
自慢じゃないけど、背だけは高い。あ、
別に自慢にならないか。身長は185セ
ンチ。