【完】キセキ~君に恋した時間~
そう。あの後無事に俺はシュートを決め
られて、一点差というギリギリの逆転で
勝つことが出来た。
今でも信じられないくらいだ。
「でもまあ、あそこからうつなんて、お
前もかなり無茶苦茶だけどなぁ!」
ハハッ、と笑いながら、俺に腕を回して
きた福田さん。
「すごいな、お前」
いや、すごいというか……とちょっとた
じろぐ。
あの時の俺は何を血迷ったか、スリーポ
イントぎりぎりの範囲にいけばいいもの
を、その場からボールを放った。
シュートが決まったから良いものの、端
からみれば、やけくそに見えなくもなか
っただろう。
でも、決まって、良かった。
皆の笑顔を見ながらそう思った。
「……」
「……」