トワイライト

　　尚、理子の耳に入るのを気にした瞳子は一人の男性の腕を引っ張って隅に連れて行き
「今の君達のお話を聞いていたら私の婚約者である間宮崇晃も理子に興味があるらしい？と言う事だったんじゃなくて？」
　　と問いただした。




　　するとその男性は
「ええ。まあ、そ･そう言う事になりますか、ねえ……」
　　とやや瞳子の威圧的なその勢いに押され、そう答えた。




『理子とお友達になったとたんにライバル視しなきゃならないなんて、私自身にとっては理不尽な事だけど、この際仕方がないわ！』と瞳子は強く決心をしたように、心の中でそっと頷いた。




　　この時瞳子はまるで自分自身ではとうていコントロール不能と思われる、心を被いかぶすような何かとてつもく巨大な何かが自分の心の奥から、ヒタヒタと渦を巻いて忍び寄って来る気配がした……。