トワイライト

第７章‐それぞれに交錯する思い

　有を諦めきれずにいた隼人は、有の行きそうな所・頼る人物など目星をつけては、有の行方を忙しい仕事の合間に少しずつ自分の足で歩きつつ、隼人なりの方法でもって独自に捜していた。 だが毎日そうしていくら隼人が足を棒のようにして有を捜し歩いても、一向に有の行方が掴（つか）めなかった。




　そしてそんな隼人にはやがて疲れがドドっと押し寄せてきて、次第に疲労の色が濃くなってきた。ちなみに隼人は有が結構責任感の強い性格だと言う事は、学生時代からのつき合いで充分に解っていた。




　だから自分と別れて家のために町村大雅との結婚を選んだのにも関わらず、有が突然失踪したと言う事の真意を図（はか）りかねていた。だから多分有は不慮の事故に巻き込まれた確率の方が高いと、隼人は次第に思い始めていた。



　だが隼人は現実にこうして自分の力だけで、有を捜すと言う事への限界も感じていた。だから隼人はやはり町村大雅に有の失踪当時の足取りを聞いて、そこから改めて次へのステップを踏み出す方が一番良いのでは？と言う結論に達した。