トワイライト
「ホント。潮風にあたって波の音の中でこうして碧(あお)い海を見ていると、なんかとっても心が落ち着きますね」
 と美紗依は言うと思わず気持ち良さそうに、深呼吸をした。




「元々僕達が母親の胎内で羊水に浮かんでいた時に聴いていた音が潮騒の音に似ていたから、波の音を聴くとなんとなくそれを思い出して自然と気分が落ち着くんじゃないかとも言われていますよね」
 と大雅が言うと




「そうですね。確か僕もそう言う風な事を昔聞いた覚えがあります」
 と慎也が頷いた。




 とこのようにトワイライトの浜辺に着くまでの間船に乗り込んだ6人は、それぞれ他愛のない雑談を交わし穏やかな船の揺れに身を任せていた。そして夕方の6時過ぎに出港した船は、ようやく翌日の午前7時過ぎにトワイライトの浜辺に着いた。
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