トワイライト
「隼人大丈夫なの?昨夜はえらく暗い声をしていたし、なんか泣き声だったよね。私隼人の事が心配だったから急いで来たんだよ」
 と心配そうに萌が言った。



 隼人は椅子に腰掛けると
「うん。昨夜はごめん。君に心配をかけてしまって。それよりか萌こんな所まで来て貰って悪かったね。僕昨夜は有に会えたんだけれど、有が僕の事を覚えていない事にものすごくショックを受けてしまって、あの時僕は酷く取り乱していたんだ。でも一晩グッスリ眠って少し冷静になった分、昨夜よりか今は幾分か気分が落ち着いたよ」
 と言った。




「えっ?!有が隼人の事を覚えてないってそれってどう言う事なの?」
 と、萌は隼人に不思議そうに聞いた。




「うん。有は此処に旅行の為に来たらしいんだけれど、その時に運悪く時化(しけ)で船が遭難したらしいんだ。でもって有はこのトワイライトの浜辺に打ち上げられて、この島の人に助けられたんだ。でもその時に有は記憶喪失になってたんだ。だから記憶を取り戻す為に電気ショック療法を施(ほどこ)して、一応記憶を取り戻したと言う事だった。
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