トワイライト
第12章‐親子の対面
  此処は夕日が沈みかける寸前のシチュエーションが、とても綺麗な場所に位置した喫茶店である。そんな中で有は実の母親理子と向き合っていた。




「有ごめんなさい。許してくれますか?愚かな母親であるこの私の事を。後になってこんなにもあなたの心を苦しめる事になるなんて思いもせずに、結果的に私は自分のお腹を痛めて産んだ我が子であるあなたを、乳児院に預けてしまいました。




  いくら二人の子供を一人で育てる事が出来なかったからと言って、あなたを手放し乳児院に預けてあなたを寂しい気持ちにさせてしまった事への罪は、生涯私の心の中から消えはしないでしょう。だからあなたの辛い気持ちを知って、私があなたへした事がどんなにか愚かな事であったのかと言う事を、私は今更ながらに思い知りました。




  それにしても運命とは不思議なものね。街中で美有が突然大雅さんからあなたと間違われた事がきっかけで、此処でこうして今、あなたと親子の対面をしてるんですもの……」
  と言うと理子はがっくりと肩を落とした。
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