トワイライト
「そうですね。この場合はやはりヘタに波風を立てるよりも、現実を優先した方が丸く納まる感じですし。このまま有さんの記憶が元に戻らなくても、なんの問題もないと僕もそう思いますね」
  と慎也は慎重に言葉を選びつつしみじみと言った。




「確かに慎也さんの言う通りですよね。まあ、このまま二人が幸せを持続出来うる限り、有さんは隼人さんと過ごした日々を思い出す事は二度とないでしょうね。言い換えればそれだけ今後大雅さんが、有さんを幸せにする責任は重大って事にもなりますね」
  と蓮は呟いた。




「でもきっと大雅さんなら大丈夫。私大雅さんを信じているわ」
  と美有はきっぱりと言いきった。




  この時大雅と家路に急いでいた有はいきなり
「は・はくっしょーん!」
  とくしゃみをした。
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