トワイライト
　　その萌の言葉に隼人は少し戸惑い気味に萌から目を思わず逸らした。
「困るよ。こんな時にそんな事を急に言われても。ちなみに君は有の友達だろ。有の事が心配じゃないの？」
　と隼人は言った。




「そりゃー心配よ。でも有は来年は二十歳（はたち）よ。もう立派な大人だわ。生活が落ち着いたら必ずきっと私達に自分から連絡をしてきてくれるハズだわ。私達はそれまでじっと待つしかないと思うの。だから隼人も早く有の事をさっさと諦めなさいよ！」
　と言って萌はバックからきれいな淡いピンク色のピアニッシモ・ペシェを取り出した。そして箱の中からタバコを１本取り出すとそれを美味しそうに吸い始めた。萌の吐き出す煙からは甘いピーチの香りが漂った。




「お待たせしました。水割りとおつまみの盛り合わせです」
　と言って椎名がグラスとお皿をテーブルに置いた。




「ありがとう」
　と言って萌はニッコリと椎名に微笑んだ。

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