トワイライト
「あー。隼人のイジワル。今夜は私うんと飲みたい気分なのよ。だって目の前にちゃんと私を介抱してくれる男性がいるんだもの」
　と言って萌はまたしても隼人に甘える言葉を発した。




　　ちなみに今夜の萌は隼人の傍に有がいないので自分の隼人への気持ちをドンドンと表に出していると言う感じであった。だが一方隼人の気持ちは今日有の姉美有に会った事で複雑に揺れ動いていた。何故ならばどうして有は町村と言う男性との結婚式を前に忽然と消えてしまったんだろうか？と言う事が隼人の心の奥にずっと引っかかっていたからである。ちなみに一応町村との結婚を承諾すれば自分の建前的な役目が終わると思ったからなのか？が、しかし町村との結婚式を前にして有は忽然と姿を消してしまったと言う。




　　そしてその後町村は偶然有の双子の姉美有と出会い取りあえず美有を有の身代わりとして執り行った結婚式によって、マチムラ自体は持ち直したと言う事だった。それにしても有は何故結婚式の間際に誰にも理由を告げずに忽然と姿を消してしまったのだろうか？そして今、有は何処に身を寄せていると言うのか？結果的に隼人は有の双子の姉美有の出現によって、より強い有への愛情を自分の心の中に呼び覚ましていたのである。




「隼人タバコの灰が落ちるよ」
　と萌が隼人の傍に灰皿をそっと置いた。



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